事務所ブログ

2018.03.24更新

幼稚園で当時3歳の園児がプールで溺れて死亡した事故につき、担任、園等の責任が認められた事例です。幼稚園の経営者は問題意識を持っていただく必要があろうかと思います。

横浜地方裁判所平成29年4月13日判決は、担任は遊具の片付けに気を取られて園児の動きを注視しなかったとして、過失及び園児の死亡との因果関係を認めた上で,主任や園長らの民法709条(園については更に同法415条)に基づく責任は認められないとしたものの、園長は事業執行に関する代理監督者であるところ、具体的な指導内容を指示していないとして監督責任を認め、担任の不法行為の連帯責任を負うとして、担任,園長及び園を運営する法人に対し、約6200万円の損害賠償を認めました。

担任がたくさんの園児を相手にしながらプールの片付けをしている中で、わずかな時間だけ身を離したすきに園児が死亡してしまったのですが、園としては、幼稚園の浅いプールでも3歳の園児であれば溺れることがありうることを想定しなければならず、これを防止するために一般のプールの監視員のような役割を持たせる教員を配置しておく必要があると思われます。

 

 

 

投稿者: 関川法律事務所

2017.01.19更新

福岡高等裁判所平成27年1月30日決定は、以下のように判断して原審判を覆し、子の親権者を母親から父親に変更しました。

ただし、このような事案でも、原審判は親権者変更を認めなかったのですから、困ったものです。真面目に子育てができる父親よりも遊びほうけている母親の方を親権者としてふさわしいと考える態度は改めて欲しいものです。

 

「民法819条6項は,「子の利益のため必要があると認めるとき」に親権者の変更を認める旨規定しているから,親権者変更の必要性は,親権者を指定した経緯,その後の事情の変更の有無と共に当事者双方の監護能力,監護の安定性等を具体的に考慮して,最終的には子の利益のための必要性の有無という観点から決せられるべきものである。
 そこで検討すると,前記2で認定した事実によれば,①未成年者らは平成25年□□月以降,親権者である相手方ではなく抗告人及びその両親に監護養育され,安定した生活を送っており,このような監護の実態と親権の所在を一致させる必要があること,②婚姻生活中において,相手方は,未成年者らに対して食事の世話等はしているものの,夜間のアルバイトをしていたこともあって,未成年者らの入浴や就寝は抗告人が行っており,またその間の未成年者Cの幼稚園の欠席日数も少なくないこと,③相手方は,未成年者らの通園する幼稚園の行事への参加に消極的であること,また,親権者であるにもかかわらず保育料の支払いも行っていないこと,④相手方に監護補助者が存在せず,抗告人と対比して未成年者らの監護養育に不安がある(両親を含めた抗告人と相手方との話し合いにおいて,相手方以外が相手方が未成年者らの親権者となることに反対したことからも,その監護能力に不安があることが窺える。)こと,⑤未成年者らの親権者が相手方とされた経緯をみても,未成年者らの親権者となることを主張する相手方に抗告人が譲歩する形となったが,他方で相手方の住居や昼の仕事が決まり,生活が安定するまで未成年者らを監護することとなり現在に至っているので,必ずしも相手方に監護能力があることを認めて親権者が指定されたわけではないこと,⑥相手方が養育に手が掛かる幼児がいながら婚姻期間中に男性チーフと不貞行為を行っており,未成年者らに対する監護意思ないし監護適格を疑わせるものであることが認められる。そうすると,未成年者Cが5歳,同Dが4歳と若年で,母性の存在が必要であること,不動産会社への再就職が決まり,一定の収入も見込まれることを併せ考慮しても,未成年者らの利益のためには,親権者を相手方から抗告人に変更することが必要であると認められる。」

投稿者: 関川法律事務所

2016.12.14更新

東京地方裁判所平成19年8月29日判決では、自分が既婚者であることを秘して女性と性的な関係を伴う交際を長期間継続したことについて、将来の婚姻を信じて交際を続けた女性に対する関係で人格権侵害の継続的不法行為を構成するとして、550万円の慰謝料支払を命じました。夫婦間の不貞行為のケースよりも高額の慰謝料を認めています。交際が長期間であったことや、女性が2度も中絶をしたことが考慮されたものと思われます。

投稿者: 関川法律事務所

2016.09.02更新

本日、私が受任していた刑事弁護事件で無罪判決が言い渡されました。

暴行被告事件でしたが、もともと捜査段階で暴行内容及び前後の経緯について曖昧な供述をしていた被害者でしたが、

公判では支離滅裂な供述を繰り返し、有罪立証など到底できないような証言でした。

検察もよくこのような供述をもとに起訴をしたものだと思います。

 

投稿者: 関川法律事務所

2016.03.30更新

 東京高等裁判所・平成24年10月18日決定は、監護者指定・子の引渡しに関する審判前の保全処分について、母親からの申立を認めた原審判を取り消し、母親の申立てを却下しました。

抗告審決定時、子ども(男の子)は4歳でした。

理由は以下のとおりですが、すぐに子どもを非監護親に引き渡すべき必要性がない限り、保全処分を下すべきではないということです。「父だから」「母だから」というだけで判断をしているわけではありません。この事件では母親の申立てが却下されているのです。

「審判前の保全処分としての子の引渡命令についての以上の法的性質及び手続構造からすれば、審判前の保全処分として未成年者の引渡しを命じる場合には、監護者が未成年者を監護するに至った原因が強制的な奪取又はそれに準じたものであるかどうか、虐待の防止、生育環境の急激な悪化の回避、その他の未成年者の福祉のために未成年者の引渡しを命じることが必要であるかどうか、及び本案の審判の確定を待つことによって未成年者の福祉に反する事態を招くおそれがあるといえるかどうかについて審理し、これらの事情と未成年者をめぐるその他の事情とを総合的に検討した上で、審判前の保全処分により未成年者について引渡しの強制執行がされてもやむを得ないと考えられるような必要性があることを要するものというべきである。
 三 この観点から前記一に認定した事実をみると、(5)及び(6)に認定の事実からは、抗告人が未成年者を監護するに至った原因が強制的な奪取又はそれに準じたものであるということはできず、(1)、(2)及び(6)ないし(8)に認定の事実からは、虐待の防止、生育環境の急激な悪化の回避、その他の未成年者の福祉のために未成年者の引渡しを命じることが必要であると認めることもできず、また、本案の審判の確定を待つことによって未成年者の福祉に反する事態を招くおそれがあると認めることもできず、その他一件記録を精査しても、本件において、審判前の保全処分により未成年者について引渡しの強制執行がされてもやむを得ないと考えられるような必要性があると認めることはできない。」

 

 

 

 

投稿者: 関川法律事務所

2016.03.16更新

現在、親子関係不存在確認を求める調停中ですが、双方の合意により裁判所が選任する業者にDNA鑑定を依頼することになりました。

費用は8万円+消費税とのこと。

 この費用が用意できなければ、親子関係の不存在を争うことができないと思っておいた方がよいです。

投稿者: 関川法律事務所

2016.01.24更新

札幌家裁平成27年5月21日判決は、別居期間が1年半程度であるにもかかわらず、有責配偶者からの離婚請求を認めています。妻が自宅の鍵を替えてしまい、夫が自宅に戻ることが不可能な状態にしてしまったこと等を理由にあげています。
有責配偶者だからといって、すべてのケースで離婚請求が認められないわけではないのです。

 

「①別居期間は比較的短期間ではあるものの,別居に至った直接のきっかけは,被告Y1が,何らの予告なく自宅の鍵を取り替えて原告X1が自宅に戻ることを不可能にする実力行使に出たことが原因であり,被告Y1において,積極的に原告X1との同居を拒むに至ったものというべきであること,②子らは,未成熟子であるとはいっても,比較的年長者であること,③経済的な状況については,原告X1においても,被告Y1の作った借金の返済を未だ続けており,かつ,被告Y1が,平成26年3月以降,原告X1の収入や本件借入の返済額に比して過分ともいうべき婚姻費用の支払を1年以上にわたって受け続けてきていること,客観的には,被告Y1において,未だ家計の切り詰めを十分にしたとはいえない状況であって,今後,相当程度の支出を圧縮することも可能であること,子らの年齢からいっても,被告Y1が稼働制限をしなければならないような状況にはないこと等を併せ考えると,本件の場合,被告Y1が,離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれる等,原告X1からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するということのできるほどの特段の事情を認めるには至らないというほかない」

投稿者: 関川法律事務所

2015.10.19更新

今後ともよろしくお願い致します!

投稿者: 関川法律事務所

2015.10.15更新

 最近、会社を辞めるときに在職中のミスを理由に上司から多額の損害賠償を求められて困っているとの相談を受けることがあります。
 そもそも、言い掛かりのような要求が多いのですが、本当に会社に損害を与えてしまったとしても、その損害を労働者に負わせるのは酷と言えます。

 そこで、裁判例では信義則を理由にこのような使用者側の請求をかなり制限しています。
 具体的には、労働者に業務遂行上の注意義務違反はあるものの重大な過失までは認めらないケースでは、その他の事情(使用者によるリスク管理の不十分さ、等)を考慮して使用者による賠償請求を棄却しています。
また、重大な過失が認められるケースでも、宥恕すべき事情や会社側の非を考慮して責任を4分の1や2分の1に軽減しています。
 他方、背任などの悪質な不正行為や、社会通念上相当の範囲をこえる引抜き等の場合は、責任制限は格別考慮されません。
(『労働法』菅野和夫著 参照)

投稿者: 関川法律事務所

2015.07.16更新

東京地裁平成26年12月3日判決は、大学ラグビー部の試合に出場中、対戦校の選手から危険なタックルを受けて引き倒され,頭から地面に激突し,頸髄損傷による重度の後遺障害を負ったケースについて、危険なタックルをした対戦校の選手に対し、9706万4528円(及び民法所定の利息)の支払を命じました。
判決は、過失相殺の規定である民法722条2項の趣旨を類推するという手法により、損害の6割を被告に負担させることにしています。すなわち、賠償額を4割を減額させています。スポーツの中での出来事であり、100対0の解決が妥当でないということです。
スポーツには怪我がつきものとはいえ、訴訟でこのような高額の賠償が認められる可能性があることを考えると、ラフプレーなどは控えるべきでしょうね。

<判決の抜粋>
「ラグビーの試合中のある選手のプレーにより他の選手が通常生ずる範囲を超えて負傷した場合,被告が主張するように,故意又は重過失によるものでない限り,そのプレーは社会的相当性の範囲内の行為として違法性が完全に否定され,当該選手は,不法行為責任を負わないとすることは極端に過ぎ,相当ではないが,他方,ラグビーという競技自体に事故発生の危険が当然に想定され,ラグビーの試合に出場する選手は,その危険を一定程度引き受けた上で,試合に出場しているということ及び選手には試合に安全に参加できるよう身体的かつ技術的に準備する責任があること(競技規則序文)も勘案すれば,発生した損害の全部を加害者たる選手に賠償させるのは,損害の公平な分担を図る損害賠償法の理念に反するものといわざるを得ず,このような場合,民法722条2項の趣旨を類推して損害賠償額を定めるのが相当であると解される」
「そこで,本件について検討するに,原告X1は,自らの意思で,大学でラグビー部に入り,大学2年生以来ほぼ毎年試合に出場していた(原告X1本人,弁論の全趣旨)のであるから,自ら一定の危険を引き受けた上で本件試合に出場していたといえること,被告に過失が認められるのは,上記認定のとおりであるものの,被告が試合の展開と関係なく,故意をもって原告X1を負傷させたことまでの事情は認められず,まさに試合の流れの中で,不幸にも重大な事故が発生したものであると評価されること,ボールが他方向に転がって離れていったにもかかわらず,被告は危険な姿勢にある原告X1の襟首又は胸あたりを掴んで引っ張り,原告X1もとっさに両手等で受け身の態勢をとることなく,頭から地面に落下してしまったものであって,両者の動作ともやや未熟であった感は否めないこと等が認められるのであり,これらの一切の事情を勘案し,民法722条2項の趣旨を類推して,被告には,原告X1に生じた損害の6割を負担させるのが相当であると解される。」

投稿者: 関川法律事務所

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