事務所ブログ

2013.04.12更新

ある離婚訴訟の判決。
といっても、よく見られる判決ですので、現実を紹介する意味でしかありません。
大阪での事案です。

夫が妻との離婚を求めたものの、妻は拒否。
調停不成立の後で訴訟となり、訴訟では尋問も行いました。
判決が出たときには別居からほぼ3年間が経過。

判決では、未だ夫婦関係が破綻していないとの理由で請求棄却。
「原告(夫)が考えを改めれば修復は可能」との記載もありました。

しかし、3年も別居し、訴訟で争った夫婦で修復したケースはどれだけあるのか。
妻と離婚をしたくて訴訟までした原告(夫)が考えを改めることがあるのか。考えを改めることができないから裁判に踏み切ってるんですけど...。

当然ながら、この夫婦は別居継続中。
夫はあと2~3年別居を継続してから改めて離婚裁判をする予定です。
一方の都合だけで易々と離婚を認める判決も問題でしょうが、形だけの夫婦の継続を認める判決がよいのか。
裁判官も弁護士も、社会の実態を深く広く分析する必要があると思います。

投稿者: 関川法律事務所

2013.04.01更新

有責配偶者からの離婚請求を認容できる基準については、最大判昭62.9.2は、①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間であること、②その夫婦の間に未成熟の子が存在しないこと、③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれるなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反する事情(いわゆる3要件)を挙げています。

東京高裁 平20.5.14 判決

生まれつき口蓋裂という障害を負っていた子について,夫は母と一緒になってその子を嫌い,十分な食事を与えないなど,他の二人の子供と差別して取り扱い,その子が高校中退後,医療少年
院に収容された際も,夫は退院後の身元引受人とならず,その子が自宅に居ることを拒絶し,その後,定職に就けないその子が夫に経済的援助を求めても拒絶し,その結果,その子は所在不明となったというケース。

有責配偶者である夫からの離婚請求につき,別居期間が15 年以上経過し,当事者間の3 人の子はいずれも成年に達しており,夫婦間の婚姻関係は既に破綻しているが,妻は夫から婚姻費用分担金の給付を受けることができなくなると経済的な窮境に陥り、罹患する疾病に対する十分な治療を受けることすら危ぶまれる状況になることが容易に予想されるとともに、長男については、身体的障害及びその生育状況に照らすと後見的な配慮が必要と考えられ、夫の長男に対する態度からすると,離婚請求が認容されれば、妻が独力で長男の援助を行わなければならず,妻
を更に経済的・精神的窮状へ追いやることになるとの事情の下においては、離婚請求を認容することは、妻を精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におくことになり、著しく社会正義に反し許されない。

判決の理屈からすると、夫が有責配偶者であれば、妻にとって過酷な状況が解消されない限り、生涯離婚が認められないと言えるのでしょうか。15年も別居しているのに離婚が認められないことからすれば、そのように思わざるを得ません。
毎月支払ってきた婚姻費用(生活費)がどれくらいかは分かりませんが、15年間も別居していれば相当な金額になっているはず。通常の離婚慰謝料を大きく上回っている可能性も高いことを考えると、妻の保護に厚く、夫に厳しい判決であると思います。
弁護士として、この判決後、どのような対応を依頼者に勧めるか、さらに数年間別居をして再度訴訟を提起するのか、そのような訴訟をしても離婚が認容されない可能性もあるので、非常に悩ましい問題です。

投稿者: 関川法律事務所

関川法律事務所 法律相談受付時間 平日9:30~21:00 お電話はこちら 06-6121-2931
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