事務所ブログ

2013.07.29更新

セクハラについて、弁護士に相談をしたい方は少なくないと思います。

では、職場内におけるセクハラの慰謝料の相場はどれくらいなのか。
頻度や回数にもよりますが、裁判例を見てみると、概ね、50万円~150万円という金額の支払が命じられています。
強姦罪にも該当する程度の行為がなされたケースでは、300万円程度の支払を命じた裁判例もあります。





投稿者: 関川法律事務所

2013.07.27更新

職場内のセクシュアルハラスメント(セクハラ)は、密室で第三者のいない状況でなされることも多いため、立証が困難なことがあります。
被害を受けた女性が日記を書いていたり、あるいは、知人に相談していたことをもってセクハラを認定したケースもありますが、何の証拠もなければ立証は極めて困難です。

なお、福岡高裁の平成19年3月23日判決では、被害女性が作成した日記ノートや知人の供述等の信用性が高いとはいえないとして、請求を棄却していますが、日記ノートや知人の供述が証拠として不充分ということではなく、その内容の不自然性を理由に信用性を否定しています。

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.26更新

民事訴訟法には、以下のような条文があります。

第304条
第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。

これは、不利益変更禁止の原則といい、不服申立をした一方当事者が第一審よりも不利益な判決を受けることがないとする原則です。もちろん、反対当事者も控訴すれば、不利益変更禁止の原則は意味をなさないことになります。

これに対し、家事事件手続法においては、不利益変更禁止の原則のような規定は設けられていません。
なので、相手方が家庭裁判所の審判を受け入れることにしたとしても、こちらが高等裁判所に不服申立をした結果として、かえって相手方にとって家庭裁判所の審判よりも有利な決定がなされる可能性があるのです。

理由は、①家事事件手続においては、裁判所は公益性を考慮し、後見的な立場から判断をするものであること、②家事事件では有利不利が明らかでないことがあることにあります。


投稿者: 関川法律事務所

2013.07.24更新

離婚後における養育費支払と面会交流は、本来的には対価関係にないものです。
したがって、「養育費を支払わないから子どもを父親に会わせない」「子どもに会わせてくれないから養育費を支払わない」というのは、いずれも間違いであるとされます。

しかし、離婚夫婦の現状を聞いてみると、上記のような間違った対応がなされています。
「目には目を」といった対応をしたくなる気持ちも分かりますが、そこには子の福祉というものが欠落している。

その上で、不公平なのは、面会交流や養育費を調停調書ないし公正証書で定めていても、面会交流は強制執行が容易ではないのに対し、養育費の支払は強制執行が容易であることです。
実際に、父親は子どもに会わせてもらえないのに、養育費の支払を怠ったとして給与の差押えを受けているケースは少なくありません。

理念を貫いたときの不都合性・不公平性が見られる現状があるのですから、そろそろ、この点の法整備が急がれてもいいのではないでしょうか。

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.23更新

かつて、家事審判に即時抗告をした場合、抗告審の進行スケジュールは当事者には分からないものでした。ケースによっては、かなり待たされた上で、こちらが痺れを切らして「決定はいつくらいになりますか?」と問い合わせると翌週くらいに出るということもありました。

しかし、現在私が担当している大阪高裁の案件では、「審理終結日:●月●日」「決定日●月●日」との連絡文書が送られてくるなど、スケジュールが明確となっております。

これは、家事事件手続法で以下の規程が設けられたことによります。

(審理の終結)
第71条  家庭裁判所は、別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定めなければならない。ただし、当事者双方が立ち会うことができる家事審判の手続の期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。

(審判日)
第72条  家庭裁判所は、前条の規定により審理を終結したときは、審判をする日を定めなければならない。

この条文のおかげで、当事者が審判日(決定日)を明確に知ることができるようになりました。

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.19更新

当事務所は小規模事務所ですが、大手事務所の訴訟活動についてはどのような特徴があるのでしょうか。
判例タイムズ1332号p13には、大手事務所の訴訟活動について、以下のような東京地裁裁判官の発言が掲載されています。
基本的に東京も大阪も同様と思います。
以下、引用いたします。

「まず,大手事務所が受任した事件では,

①総じて多数の弁護士が関与するものですから,検討・議論・判例調査等はある程度精密かつ丁寧に行われ,事件が多角的かつ丁寧に検討されている反面,訴訟準備等に長時間を要することがあります。

②議論・争点の検討が細かくなり過ぎる傾向があり,法律論も網羅的で緻密な検討が行われていますが,全体のバランスあるいは落ち着き等が考えられていない主張になることがあるように思われます。

また,③事件の落ち着きや解決の方向性を見通した訴訟活動となっているのか疑問を感じることもあります。

④以前にした主張を少し観点を変えただけで,基本的な部分は同じ主張であるにもかかわらず,新たな主張であるとして記載された準備書面が繰り返し提出されることがあるように思います。

更に,⑤事件によっては,経験豊富なボス弁やベテラン弁護士があまり関与せず司法研修所を卒業したばかりの新任弁護士や卒業後2,3年目の若手弁護士のみで対応しているようで,裁判所からの指示や釈明等に対してどのように対応・準備すればよいのか悩んでいるのではないかと思われることもあります。

また,⑥当該事件のスジやスワリ,落ち着きを考えないで考え得る構成の主張はすべて主張することで,大筋とは離れた小さな論点を精緻に莫大な時間と費用をかけて主張立証しようとすることもあるように思われます。

加えて,⑦人証調べをそれまであまり事件に関与しておらず,事件の細部を十分知らないベテラン弁護士が担当したり,あるいは事件内容自体を熟知していても,必ずしも事案解決のためのしっかりした視点やビジョンを持っていない若手弁護士が担当したりして,ピントはずれな質問や不適切な質問をすることがあるように思います。

⑧着手金・成功報酬額等を含む弁護士費用がかなり高額に支出・設定されているのではないかと思われるケースもあって,そのために裁判所の和解案では納得できないと言われることもあるようです。

⑨争点整理手続では,裁判所から求釈明をしたり,当事者から説明を受けたりするのですが,その場での論理や争点の展開に柔軟に応じることができず,迅速的確にその場で実質的な議論をすることができず,事務所に持ち帰って更に検討の上で準備書面を提出しますという形式的な対応に終わることもあるように思います。先ほど述べた大手事務所が受けた事件の特色ともいえますが,何より,主張(準備書面)の量も膨大で,提出される証拠も膨大となることがその背景にあるのかもしれません。

⑩和解交渉において訴訟の早期の段階では担当弁護士が依頼者を十分に説得してくれない,あるいは説得できないということが比較的多く見受けられます。

また,これも大手事務所に特徴的なことといえるかもしれませんが,⑪相手方に主張立証責任がある事項であるにもかかわらず,なぜそれを釈明しなければいけないのかという必要性等を具体的に詰めて考えずに膨大な量の求釈明を行い,この釈明がない限りは認否反論できないという対応をすることが少なくないように思います。

⑫弁護士報酬との関係でタイムチャージ制を採用している事務所がかなりあるようで,手続が進行して争点整理を重ねるようになると,弁護士費用であるタイムチャージ料の増加との関係を考えて和解案の内容を考慮する必要がある場合もあります。

⑬先ほどの⑨⑩の点とも関係しますが,訴訟の比較的早期の段階の進行協議あるいは和解交渉における対応は総じて形式的・紋切り型で,紛争解決に向けた実質的で効率的な本音の議論をすることが困難な場合があります。」

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.18更新

警察署の中で使われる略語について、だいたいは知っているつもりでしたが、先日、大阪の警察官から「『こうわい』と『めいぼう』で留置している○○の件ですが」と早口で言われたとき、「こうわい」は「公然わいせつ罪」とすぐに分かったのですが、「めいぼう」はすぐに分からず、「え?『めぼ』って何?」と思ってしまいました。
ただし、ちょっと考えて、「迷惑防止条例違反」のことであることが分かりましたが、恥ずかしながら、それまでに聞いたことのない略語でしたので、すぐには分かりませんでした。警察官も弁護士なら当然知っていると思ったのでしょう。

ちなみに、大阪府の迷惑防止条例の正式名称は、「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」です。
なので、痴漢の正式な罪名は、「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」なのです。

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.12更新

裁判では尋問の内容が記録として残りますが、最近では尋問終了後に書記官から「録音CDのみの記録となりますが、よろしいですか?」と尋ねることが多いです。
弁護士としても、そのときは了解するのですが、この訴訟が控訴審に移行するとき、控訴審裁判所から「録音CDの反訳文(文章化したもの)」を提出して下さい」と指示されることになります。
しかし、録音した内容を一字一句違わずに文章化するのは大変な作業。そして、これを業者に依頼すると費用がかかる(しかも、意外と誤字がある。)。

こうなると、意地でも、録音CDのみの記録を反対した方がいいのではないかと思いますが、裁判所がどのような反応をするかは試したことがないので分かりません(>_<)

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.09更新

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)について、適当な書籍を探していたところ、『ハーグ条約と子の連れ去り ドイツの経験と日本への示唆』(半田吉信著)が発売されていたので、購入し、読んでいますが、外国文献の直訳の表現が多く、非常に読みにくい内容になっております。例えば、「条約外の返還手続のみが観察に現れる」という表現などは未だに意味不明です。
しかしながら、テーマ自体は素晴らしい書籍と思いますので、何とかして読了したいと思います。
離婚を多く扱う弁護士としては、しっかりと研鑽しなければならない分野です。

投稿者: 関川法律事務所

2013.07.07更新

夫婦が離婚するにあたって合意した養育費を減額することは可能か。
実務上、養育費の減額は、当初の協議の際、当事者が予見し得ない事情の変更が後になって生じ、協議が実情に合わなくなった場合のみ可能とされています。
したがって、養育費の定めをした後で、「やっぱり、あの養育費は標準より高いから減額してもらおう」と思っただけでは、減額は認められないのです。あくまで、その後の事情の変更が必要なのです。

以下は最近の裁判例です。

【東京高裁・平成19年11月9日決定】
調停成立時,再婚し,再婚相手の長女と養子縁組をしており,トラックを買い換えるか又はトラックをレンタルで借りるかしなければならない事情を認識していた支払義務者(父)としては,婚姻と養子縁組による社会保険料の増加及びトラックのレンタル料の支払による総収入の減少について具体的に認識していたか,少なくとも十分予測可能であったというべきであるから,当該総収入の減少は養育費を減額すべき事情の変更ということはできないとした。

【福島家裁会津若松支部・平成19年11月9日審判】
公正証書により定められた養育費について,支払義務者(父)から,養育費の減額を求めた事案において,支払義務者が再婚し,子をもうけたという事情は,再婚相手に収入がない現時点では,養育費条項を変更すべき事情に当たるが,再婚相手の育児休業期間経過後は,再婚相手も出生した子の養育費を負担できるようになることが予想され,その後必要があれば支払義務者において再度減額等の申立てをするのが相当であるとして,再婚相手の育児休業期間が終了する月までに限り,養育費を減額した。

【東京家裁・平成18年6月29日】
父が,協議離婚の際に公正証書によって合意した養育費の減額を求めた事案において,上記養育費は,いわゆる標準的算定表により算定される養育費の2倍以上の額であり,父の収入額からみて,これを支払い続けることが相当に困難な額であったこと,公正証書作成の経緯等の諸事情を考慮すると,双方の生活を公平に維持していくためにも,養育費の月額を減額変更することが必要とされるだけの事情の変更があるとした。

投稿者: 関川法律事務所

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