事務所ブログ

2013.10.18更新

M&Aと言えば、株式会社について言われることが多く、株式譲渡、会社分割、事業譲渡などの方法で企業再編がなされます。

しかし、医療法人の経営多角化により、医療法人のM&Aも盛んに行われています。
大阪の医療法人も例外ではありません。
もっとも、医療法の規定はM&Aの便宜を考慮しているわけではなく、医療法人でM&Aを実行しようとすれば、技巧的な方法によらざるを得ないこともあります。
例えば、株式会社であれば、株式の過半数を取得すれば会社を支配できますが、医療法人では社員総会の決議は出席社員の頭数の過半数で決せられ、出資持分の全額を取得しても、そのことは社員総会決議の帰趨には直結しません。
もちろん、出資持分を有するのが社員であれば、退社の際には出資持分の払戻を求めることができるので、そのことでプレッシャーをかけることで事実上の影響力を当該医療法人に及ぼすことは可能でしょう。
そういうわけで、出資持分の譲渡では医療法人のM&Aは完結しません。
社員の入退者、理事の入替等を駆使しながら、売り手から買い手へ経済的利益を移転させていきます。

ところで、株式会社においては、他の株式会社が株主になることができるのは当然でありますが、医療法人においても株式会社が出資持分を取得することは可能です。ところが、医療法人では株式会社が社員になることはできません。そこで、出資持分を有する株式会社が医療法人存続中に出資持分の払戻を受けることができるのかどうかは、法令上の整備がなされていないため、未知数です。下手をすれば、医療法人が解散するまで出資の払戻を受けられないことも考えられます。

このように、医療法人の運営については、意外と知られていない法整備状況にあるため、M&Aにおいては弁護士の適切なサポートがなければ、思わぬ落とし穴にはまるリスクがあるのです。


投稿者: 関川法律事務所

2013.10.17更新

<名古屋地裁・平成14年11月29日判決>
婚姻関係が破綻して別居をしている夫婦において、妻が夫のもとで生活する子どもたちを連れ去ったケース。
妻の連れ去り行為に協力したカウンセラーに対し、慰謝料として30万円の支払を命じた裁判例です。
このカウンセラーは、女性を対象とするカウンセラーとして活動しているほか、シェルター(女性のための緊急一時避難所)の運営を主体とする団体の活動をしていたようですが、許される限度を分かっていなかったようです。

投稿者: 関川法律事務所

2013.10.07更新

過労自殺の判例紹介です。
大阪地裁平成25年3月6日判決は、過重労働によりうつ病を発症した従業員が自殺した事案において、従業員の勤務経験(14年)からして健康上の問題があれば自ら申し出や相談があることを期待してよい状況にあったこと、従業員自身も朝食を職場でとるなどして職場滞在時間を長くし、休息の時間を適切に確保して自己の健康の維持に配慮すべき義務を怠ったことを理由に、3割の過失相殺を認めました(判例タイムズNo.1390p217)。

過失相殺については、電通事件判決において、労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等を心因的要因として斟酌することはできないとされており、上記判決は心因的素因を斟酌していないものの、上記理由で過失相殺を認めています。

しかし、うつ病を発症した従業員に通常人なら行うはずの合理的行動を期待してよいのでしょうか。
健康上の問題を自ら申し出て、相談できないような人物だからこそ、うつ病を発症し、自殺に及んでしまったのではないかと思われます。また、朝食を職場でとる等によって職場の滞在時間が多少長くなったとしても、それゆえに過失相殺がなされなくてはならないのか。
この判決は、「うつ病になる者にもそれなりに非がある」と言わんばかりの判断に思えますが、このような判断がうつ病の症状に対する正しい理解に基づくものかどうか疑問です。

投稿者: 関川法律事務所

2013.10.04更新

言わずと知れた大ヒットドラマ『半沢直樹』
いつも流行からワンテンポ遅れる私は、9月以降の放送分は録画して夜中に見ましたが、それ以前は全く見ていません。
そこで、原作本である『オレたちバブル入行組』を購入して読みました。
通勤電車の中で読み、数日間であっという間に読み終えましたが、やはり面白い。

この本(ドラマ)の醍醐味は証拠の収集・確保だと思います。
不正を働く者たちを断罪するには証拠が必要。その証拠を水面下で掴み、最後は相手に叩き付ける。
その「倍返し」が痛快であり、圧倒的な人気を得ました。

弁護士業においても、訴訟で勝利を決定づける証拠を突きつけた時は爽快なものです。
決定的な証拠を秘しながら訴訟を進めていると、相手は好き放題な主張をしてくる。
散々に嘘の主張をさせておいてから、それを打ち砕く決定的な証拠を提出すると、完全に形成は逆転。
裁判官も勝負あったと考え、相手に対して和解を勧めようとします。
そして、勝訴的な和解で解決するが、和解が決裂しても当然勝訴判決で終わる。
さすが、土下座はしてもらえませんが

雑然とした仕事も多い弁護士業ですが、『半沢直樹』を通して、弁護士という仕事の面白さを思い出させてもらいました。
普段、連続ドラマを見ない私ですが、見て良かったドラマだと思います。

投稿者: 関川法律事務所

2013.10.03更新

訴訟で金銭の支払を命じる勝訴判決を得たとしても、相手が支払ってこなければ、強制執行をするしかありません。
強制執行のうち、最も簡単にできるものが銀行預金(貯金)の差押えです。

と言っても、通常の銀行預金の場合は支店名を特定しなければなりませんが、相手が預金口座を開設している銀行を把握するだけでも容易ではないのに、支店までも特定するのは至難の業です。
当てずっぽうで差押えをしてみても、口座自体がなかったり、口座はあっても残高がなければ空振りに終わります。

その意味で、実施しやすいのはゆうちょ銀行の貯金口座です。
ゆうちょ銀行の場合は管轄する貯金事務センターを送達先とするので、特定の支店・郵便局を特定する必要はありません。
差押え後、貯金事務センターから残高を回答する「陳述書」が送られてきますので、債権差押命令、送達証明書、陳述書などをゆうちょ銀行・郵便局に持参すると、払戻の手続ができます。といっても、ゆうちょ銀行の場合、その場で現金をくれるのではなく、後日、金券が送られてきて、それをもって再度ゆうちょ銀行に行き、換金してもらうという流れになります。

しかし、ゆうちょ銀行の窓口の担当者がこの流れを知らないことが多く、あたふたしながら貯金事務センターに電話をして指示を受け、対応することが多いです。
そうはいっても、支店を特定しないでもいいこと、払戻手続を近くのゆうちょ銀行でもできることから考えると、非常に利用しやすいでしょう。

投稿者: 関川法律事務所

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