事務所ブログ

2014.04.18更新

夫との離婚に向けて家を出て行き、別居をしている女性は、夫に自分の居場所を知られないようにしている人が少なくありません。
とりわけ、DVを受けた女性は是が非でも自分の居場所を知られないようにしなければなりません。

しかし、ちょっとしたことで居場所が知られることがあります。
それは、ある離婚紛争で私が夫の代理人に就いていたときのことです。
妻は自宅を出て行き、夫がDVをしたとして自分で保護命令を申し立てました。
このとき、申立人の住所として、住民票上の住所である同居時の自宅住所を記載していました。このときの居場所を知られないためです。
ところが、その後、妻側に弁護士が代理人に就き、多数の証拠を提出してきました。
その証拠の中に、保護命令申立後、新たに入手した診断書がありましたが、そこに妻の居場所が住所欄にはっきりと記載されていました。
もっとも、現実には、夫はDVを否定しており、妻の居場所が分かったところで、そこに押しかけることはありませんでした。それでも、妻側の弁護士は青ざめたでしょう。
妻が弁護士に渡したものとはいえ、その診断書がきっかけとして何らかの事件が起こってしまえば、弁護士の責任は免れません。

私自身も、対岸の火事とは思わず、居場所を隠したい依頼者の案件では、提出証拠に住所の記載がないか、一つ一つ注意を払うようにしています。
依頼者の側でも、念のため、「ここに住所が書いてありますけど、消してから裁判所に提出して下さい」と言っておいた方がよいと思います。

投稿者: 関川法律事務所

2014.04.17更新

一定の年月を経過した医療事故について、損害賠償請求をする場合、
消滅時効期間が経過していかどうかに注意を払う必要があります。

この点、不法行為責任(民法709条)に基づく場合の時効期間は、
損害及び加害者を知ってから3年、不法行為時から20年となります。
債務不履行責任(民法416条)に基づく場合の時効期間は、
権利を行使しうるときから10年となります。

これを聞いて、安心するのはまだ早いのです。
医療機関に義務付けられるカルテの保存期間は5年間です。

【医師法】
第二十四条  医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
2  前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない。

カルテが廃棄された後では、請求を根拠づける重要な証拠がなくなってしまい、
医療機関の責任追及することが極めて困難になります。
もちろん、全ての医療機関が診療から5年を経過すると直ちにカルテを廃棄するとは限りません。
医療機関によっては、20年以上経過したカルテを保管しているところもあります。
特に、C型肝炎訴訟においては、フィブリノゲンが使用されていた当時のカルテが残っているか否かで結論が180度変わるという現状があります。

いずれにせよ、医師の診察に疑問を感じ、医療過誤の責任を追及することを考えたら、
悠長に構えず、弁護士と相談し、具体的な行動に着手することが必要でしょう。


投稿者: 関川法律事務所

2014.04.15更新

事務所に相談に来られる方でよくあるのは、「訴訟まではしたくない。何とか交渉で解決したい。」という意見です。
訴訟と聞くと、すごく大ごとになると思い、そこまでしたいとは思わない。
また、交渉でもそれなりの解決ができるとの期待があるのでしょう。
私としては、依頼者の意見は大いに尊重します。
そして、現に交渉でもって紛争を解決することも多いです。
もちろん、明らかに訴訟をすべき場合は、そのように進言します。

訴訟であれば和解しない限り、裁判所が判決をするので、
決めるのは当事者ではなく、当事者が判断を迫られることがありません。
しかし、交渉の場合、解決案を決めるのは当事者の合意です。
なので、「本当はもっと多くの金額を取れるかもしれない」ということが脳裏をかすめながら決断をすることもあります。
その決断に悩む人も多いのです。
交渉は「もしも訴訟になったら、このような判決になるだろう」ということを念頭において進めることが多いですが、
あくまで想定に過ぎず、どこまでいっても現実に訴訟をしないと訴訟をしたときの確定的な結論は分かりません。
だったら、最初から訴訟をした方がいい場合も少なくありません。



投稿者: 関川法律事務所

2014.04.13更新

道路交通法上、歩道は、もともと、歩行者の通行の用に供されるものであって(2条1項2号)、自転車の走行は原則として許されていません(17条1項本文)。例外的に許される場合であっても、運転者は、当該歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになるときは、一時停止しなければならない(63条の4第2項)。

この規定ゆえに、歩道上における自転車と歩行者の事故において、歩行者から自転車運行車に対する損害賠償請求がなされた場合、歩行者に過失があってもその過失割合は極めて低くなります。

【さいたま地裁平成23年11月18日判決】
歩行者が左右の安全を確認せずに路地から歩道に進入し、自転車と接触した事案
「・・・このように,原告にも,不注意と評価し得る過失を肯定することができるものの,本件事故における責任の度合いとしては,自転車の運転者である被告による上記の交通法規違反に基礎付けられた過失の程度が格段に大きく,これと比べれば,歩行者である原告の過失の程度は相当に低いものというべきであるから,これを10パーセントと認めるのが相当である。」

投稿者: 関川法律事務所

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