事務所ブログ

2014.11.18更新

『子どもの連れ去り問題』 コリン・P・A・ジョーンズ(平凡社新書)という書籍は、現在の家庭裁判所実務の問題点を見事についた名著であると思います。

「概して母親の問題行動に関する情報については、裁判所は〝見ざる、聞かざる〟という態度をとることが多いのに対して、父親の問題行動には飛びつく傾向が強いようだ」(p134)。

「例えば、妻が子どもを実家に連れ去ることで始まる離婚調停の場合、調査官が行うのは、妻の実家を訪問し、子どもとちょっと会って話をし(年齢によって、どちらの親と住みたいか意向を尋ねる)、今の生活環境に問題はないか確認する程度の調査である。これで母親が監護者・親権者になることが実質的に確定するのである」(p90)。

「もちろん、調査官のなかには学者並みの児童心理学の知識を身につけている人もいるが、いくらそうでも、たった1回、三〇分か一時間程度会っただけで、他人の子どもの人生について大きな決定をするに足る情状を把握できるとは、どう考えても無理がある」(同)。

「プロの調査官なら、一時間程度の調査でも、子どもが必ず発信してくる事件解決に有効なサインをキャッチできるものだ、というのである。しかし、本当に子どもがそこまで裁判所にとって都合のいい行動をするものかどうか、当事者ならずとも疑問に思うだろう」(p93)。

以上は、ほんの一部分を紹介した過ぎませんが、ここまで適格な指摘をしてくれる著書にはなかなかめぐりあえません。
ただし、著者が問題視する裁判所の考え、風潮について、裁判所は問題とは思っていないと思われます。
現行の制度及び判断手法が正しいということを「信仰」といえるほどにまで信じている気がします。
いつになったら気付いてくれるのでしょうか。



投稿者: 関川法律事務所

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